鐵槌『士(さぶらい)』
鐵槌のニューアルバム『士』のサンプル盤が届いた。
楽しみにしていた一枚であるが、今回聞くのはやめようと思っていた。
なぜならば、来月俺自身のバンド、ギロチンテラーもニューアルバムのレコーディングに入る。
既に錬成しているが、もっと上に、もっと情熱的に、とギリギリのせめぎあいをしている最中。
鐵槌という好きなバンドとはいえ、変に影響を受けてしまいたくないという思いがあった。
何しろ、『日本狼』以来のアルバムである。
近くで昭司や是君を見ていて、並々ならぬ気合いで取り組んでいたのを知るゆえ、余計そう思ったのだ。
しかし、聞きたい!という素朴なる欲求と、昭司より感想を求められ、聞いてしまったのだ。
ママゴトのように、上辺だけの高評価をする事はしない俺である。
以下は、俺が鐵槌『士』を聞いた、率直な感想である。
■鐵槌『士(さぶらい)』
それはさながら、荒天に預言者が祈り叫ぶが如し。
轟く雷鳴、燃え盛る炎。
轟音の塊に昭司の叫びが抗う。
炎は神
鐵は力
炎の周りで巫女が舞う。
戦乱と飢饉による地獄さながらの様相。
預言者は説く。
遥か古(いにしえ)の民族の起源を。
極上のロックである。
TED NUGENTであり、STEPPEN WOLFでもある。
TED NUGENT『Cat Scratch Fever
STEPPEN WOLF『Slow Flux』
の如し。
ともにブルースを基盤に持つハードロックであり、俺が特に好きなロックバンドでもある。
やってくれたか!
極上のロックを追及すれば、こんな音になるだろう。
ド真ん中のロックに、古の日本人の祈りを込めた鐵槌ならではの極上のロックなのだ。
炎は神
鐵は力
日本人らしさをここまで追及したロックバンドがかつていただろうか?
原始女性は太陽であった
平塚らいてうは説いたものだが、まさに日本人の起源、神話には天照大神という母性の神がいる。
鐵槌という極めて男臭いバンドが、天照大神のまさに陰部を奉るが如く歌うのだ。
ついに鐵槌はロックを日本神話にまで到達させたのだ!
もはやそれは右だの左だのという政治的なものを超越し、炎の如く、鐵の如く日本人という人種民族そのものとして存在するのである。
傑作である事に疑いはない。
しかしである。
『士』が傑作であるがゆえに、足りないものが気になる。
何が足りないのか?
それは【土】である。
泥臭い民の祈りが足りないのだ。
日本神話の輪郭を成す民の涙や汗、願い、祈り、四季の移ろいが感じられないのである。
これは昭司に、そして鐵槌に要望したい。
次作は炎と鐵、血に土を混ぜた音を聞かせてくれ、と。
土にまみれた民の涙や汗、血があっての国家であり、民族なのだ。
『士(さぶらい)』というタイトルのアルバムに、民や泥臭さを求める俺が欲張りなのかもしれないが(苦笑)
そして、預言者であるならば、率先して民の吐く息を吸い、泥にまみれてこそではないか?
こんな時代にこそ、逆風や猛火の中、ライブをやってこそ、預言者であると思うのだ。
民や俗にまみれた行動あっての預言者である。
さもなくば、せっかくの祈りも、宮中の儀式となってしまう。
逆風を受け、猛火の中疾駆して、受けた矢じりを抜いて、流れる血を舐めてこその士(さぶらい)でなかろうか?
士ひとたび 去りゆかば もはや還らず
昭司の腕に彫り込まれた思いを知るがゆえの、俺の要望である。
悪しからず。
ライブをやるべし!
民にまみれ、謳え、牙ある者よ。
評
吼流魅KURUMI(ギロチンテラー)
吹けよ、俠の風!
呼べよ、俠の嵐!
心に日本刀‼️
甦れ武士道‼️
〓Japanese Hardcore & Soul〓
GUILLOTINE TERROR
吼流魅KURUMI
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