日の出の時間が早くなったな。
練馬区某所の更地。
足立区某所の小学校につづき、今年の我社の核になる現場である。
所長は遺恨があった所長である(苦笑)
遺恨といっても、原因はうちが悪い事は何も思い浮かばない。
数年前、杉並区某所の某学校新築現場。
手間のかかる遣り方、基礎の墨出しを経て、ようやく1階のスラブコンクリートに親墨を出した頃だったか?
違う墨出し会社に変えられてしまったのだ。
複雑な境界。俺自身遣り方で苦労し、ゆえに二重三重の確認をしながら通り芯逃げを墨出しし、社員に任せた現場である。
あまりの現場からの手配の変更、そしてそれについて墨出し担当の監督とは何度も火花を散らした事はある。
それについて我社の職長も現場に強く要請した事もある。
まあ、それで心情を悪くしたかもしれないが、そんなのはよくある事。
逆恨みみたいなもの。
が、原因はそんな事ではなかった。
墨出し担当の監督がついに観念したかのように言った。
曰く、
当工事でJVを組んでいるほかの建設会社が、お抱えの業者をねじ込もうと、あれこれ所長に圧力をかけ、結果我社はその現場で何の落ち度もないまま、降板させられしまったというのだ。
俺は所長のだらしなさに怒ったが、何度電話しても所長が電話に出る事はなかった。
悔しかったが、当時は忙しく、逆に言えば、この現場が減った事で、仕事の調整がやりやすくなったというのも、俺の怒りを鎮める要因となった。
どの業者が代わりに入ったのかは聞かなかった。
聞けば、俺自身、復讐のためにこの会社に怒鳴り込むだろうし、この会社の社長に何かしらの事をしていたに違いない。
これは大人の喧嘩だ。
冷静さを失った方が負けである。
筋を通せぬ者とは綺麗サッパリ縁を切った方がいい。
そんな不義の得意先はさっさと切れた方がいいのだ。
あれから3年ほど経つだろうか?
担当の監督からは電話もないし、同ゼネコンのほかの現場でも見かけない。
そんな中、先日横浜で遣り方依頼してきたのが、この現場所長なのだ。
その現場の所長が最近代わり、本日、改めて、この現場の所長として我社に仕事の依頼をしてきたのだ。
俺は、過去の遺恨を忘れる事はない。
中規模の仕事になるが、個人的な心情は抑えて仕事を優先させている。
ビジネスと私情をいっしょにしてはいけないのだ。
もちろん、所長を信用してはいないし、この先よほど現場の依頼を重ねなければ、男として信用する事はない。
結局、その杉並の某学校現場では、いろんな失態があったらしく、俺の耳にまでその噂は入ってくる。
あのまま、うちに任せておけば。
朝礼前、久々に顔を合わせた所長に、俺は、そう言いたかったが、自分を抑え、目の前の所長を憐れんだ。
所長たる者、現場の最高権力者たらんとして欲しいのだ。
他業者や様々な圧力や不当な依頼に屈してはならない。
上に立つ者には、統治の美学を持って欲しいのだ。
目の前にいる所長をぶん殴りたい衝動も抑え、
俺は今、この現場で全力で仕事しようとしている。
複雑な気持ちだが、ある種の征服感がある。
大人の喧嘩に勝ったからである!
やはりあの会社でなければ
そう思わせたら、勝ちなのだ!
建設業界というのは、海千山千も多い。
一次協力業者にしかわからぬ苦労もある。
生き馬の目を抜くような建設業界において、胆力と意地がなければ生き残れまい。
商売をやっていると、卑しくセコく立ち回る奴を目の当たりにする事がある。
不義の塊のような奴が平気でまかり通る。
俺はそんな不義には義を以て戦う!
義を以て、勝つまで戦う!
そして証明するだろう。
暴力は一時のストレス解消にしかならん。
義は最強の徳なり!
さあ、今日も汗をかきかき、全力で仕事するぜ!
吹けよ、俠の風!
呼べよ、俠の嵐!
心に日本刀‼️
甦れ武士道‼️
〓Japanese Hardcore & Soul〓
GUILLOTINE TERROR
吼流魅KURUMI