きょうも暑いぜ、ポカリが美味い!(^^)
平時、甘塩っぱい濃い味が、真夏に汗が噴き出る時は、こんなに美味いモノがあるのか!
というほど美味いのだ。
それは俺が中学の頃から変わらぬ夏の味覚であり、思い出でもある。
我が実家から西を見ると、冠着山、姨捨山という山が見える。
その山の向こうには、山間の村があり、聖高原という高原があるのだ。
中学生のある部活のない土曜日。
俺は仲の良かった同じサッカー部の二人と、聖高原までチャリンコで上るという、今思えばとんでもない事を計画したのだ。
最初は笑いながら馬鹿話をして坂を登っていく。
が、段々傾斜はキツくなる、体力も奪われていく。
五段変速の、男ならみんなが乗っていたような、よくあるチャリンコ。
サッカー部の地獄のシゴキを耐えてきた身体ではあるが、モモの筋肉の張り方がハンパではない。
そりゃそうだ。
下りなどない、永遠上り坂なのだ。
チャリンコを下りて歩くという選択肢はない。
チャリンコから下りては負けなのだ。
友人二人は山の中腹に住む健脚を絵に書いたような男たち。
とにかくタフなのだ。
負けず嫌いな俺は必死で二人についていくが、足がいうことをきかない(苦笑)
モモだけで言えば、人生五十年超の中で、あれほどモモを酷使した時はなかっただろう(笑)
何も飲んでいなかった。
あのカーブを曲がったら、もう聖高原じゃねぇか?
そんな話をしながらお互いを鼓舞し合い、素晴らしい眺めのカーブを曲がる。
一本道の急激な坂が目に入る。
息の荒さは、もはや獣!
炎天下、アスファルトを焼く陽射しよりも熱い炎が目にらんらんと燃えていたあの夏。
二人の友との差が開く。
クルミ、ガンバ!
と声をかけてくれる友人。
俺の足はいわゆる乳酸がたまり、モモの筋肉は爆発しそうだ。
そしてカーブを曲がった。
陽炎に揺れる遠くのガードレールとカーブミラー。
俺の足は限界を迎えていた。
サッカー部、背番号を決めるのは、足の速い順。
校庭を20周走り、つかみ取った俺の背番号は長嶋茂雄の3番だった!
キャプテン翼が人気になる前の事、
1番か3番が俺にとっては最高の背番号だったのだ。
「わりぃ、先に行ってくれ!俺、限界だわ」
「もうすぐそこだぜ、頑張れよ!」
「……」
友の背中を見送り、俺はこの下り坂をチャリンコで下った。
それはそれは、その爽快感は格別だった。
風を切り走る稲妻のように駆け下りる坂。
曲がっても、曲がってもまだまだ下り坂は続く。
途中店があり、俺はポケットの中の小銭で、ポカリスエットのデカイ口のガラス瓶のやつ、を買った。
デカイ蓋を取り、俺は丸みのある厚いガラス瓶の淵を口にあてがい、そして顎をあげ、喉仏を鳴らして、それこそ、ゴクゴクと鳴らしてポカリスエットを飲んだ。
世の中にこんな美味いモノがあるのか!
そんな極上の味だったのだ。
俺はこの時以来、スポーツドリンクと言えば、
当時一世を風靡していたゲータレードではなく、新興勢力であるポカリスエット派になったのである。
悔しさと挫折感いっぱいのチャリンコの旅だった。
後日友に聞いたら、もういくつかカーブを曲がったら着いたという事だった。
約40年経ち、俺は、真夏の灼熱地獄に、今もポカリスエットを飲み続けている。
そして、あの挫折感を味わった故郷の山への思い。
尊敬と負けず嫌いの思いを込め、『千曲川ブルース』に練り込んでいる。
いつかあの坂を制覇してやる。
俺は玉のような汗をかいた熱い身体で、ポカリスエットを飲みながら、虎視眈々とリベンジを狙っているのだ。
嗚呼、青春のポカリスエット、
躍動感ある者の相棒、ポカリスエットよ。
本日も多くの戦う者たちを救いたまえ。
吹けよ、俠の風!
呼べよ、俠の嵐!
心に日本刀‼️
甦れ武士道‼️
〓Japanese Hardcore & Soul〓
GUILLOTINE TERROR
吼流魅KURUMI